高気密高断熱の住宅が息苦しいという噂は本当?

「高気密高断熱住宅は息苦しいという噂を聞いたことがあるけど、本当なのか」
このような疑問をお持ちの方は必見です。
今回の記事では上記の疑問に回答した後、高気密高断熱住宅のメリットについてご紹介していきます。

□高気密高断熱住宅が息苦しいというのは本当?

高気密高断熱住宅が息苦しいというのは、間違いです。
気密性の高い住宅は、隙間が少ないという特徴があります。
この事実を「隙間風が入らないから息苦しい」と解釈するのは誤りです。

また、高気密高断熱住宅では換気のために換気扇を使用します。
これに対し「換気扇を使うのは非効率だから、息苦しくなる」と考える方がいらっしゃいますが、これも誤りです。

□高気密住宅のメリット

高気密高断熱住宅は息苦しくないと主張しましたが、そもそもどんなメリットがあるのでしょうか。

1つ目は、漏気負荷が減ることです。
これにより、以下の2つの恩恵があります。

・省エネルギー化(による、ランニングコスト低下)
・室内温度環境の快適性向上

2つ目は、断熱性能の低下を防止することです。
断熱性能は断熱材だけでなく、隙間の少なさにも影響されます。
隙間が多いと、住宅内の空気が外に逃げてしまうからです。
また、外気が住宅に入り込みやすくなるため、室内が外環境に影響されやすくなります。

3つ目は、壁体内結露を防止することです。
結露は、住宅の寿命を短くする天敵です。
高気密高断熱住宅では壁体内結露が防止されるため、結果的に住宅の寿命が長くなります。

4つ目は、計画換気の性能が保持されることです。
高気密高断熱住宅では、高い換気性能が求められます。
結果として、空気の鮮度維持が可能です。

5つ目は、室内の上下温度差の解消です。
ある部屋は暖かいのに、他の部屋や廊下は寒いといった経験はありませんか。
高気密高断熱住宅では、このようなこともなくなります。

6つ目は、安定した温度管理です。
以上により、室内の温度が安定します。

7つ目は、外気汚染物質の侵入防止です。
住宅の隙間は、温度だけでなく汚染物質が侵入するかどうかにも作用します。
気密性が高ければ、もちろん侵入しづらくなります。

□まとめ

高気密高断熱住宅は息苦しいという言説は、正しくありません。
一方で多くのメリットがあるため、住み良い住宅を目指している方にはぜひ検討していただきたい住宅でもあります。
当社は注文住宅の建築を行っているので、高気密高断熱住宅を作りたい方、それ以外で住宅に対して要望がある方も、ぜひご相談ください。

高気密高断熱でもトイレが寒い?原因を説明いたします!

「高気密高断熱住宅であっても、トイレは寒い」
このような批判を聞いたことはありませんか。
一方で、「そもそも高気密高断熱住宅って何だろう」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回の記事では、高気密高断熱住宅の紹介をしたのち、トイレが寒くなる傾向にあるのかについて解説します。

□そもそも高気密高断熱の住宅とは

トイレの寒さについて説明する前に、まずは高気密高断熱住宅自体の紹介を行います。
高気密住宅とは、隙間ができないように建てられた住宅です。
一方で高断熱住宅とは、断熱性能を高めるように建てられた住宅です。
これら両方の性質を持つ住宅を、高気密高断熱住宅と言います。

断熱性能を数値化した指標として、「Ua値」があります。
これは「外皮平均熱還流率」のことで、要は家の内部から外部へどれだけ熱が逃げやすいかを表した数値です。
なお、Ua値が低いほど断熱性能が高くなります。

一方で気密性能を表す指標としては「C値」があります。
これは家にどれだけ隙間が空いているかを表した数値です。
この値もUa値と同様、低いほど高気密であることを示します。

まとめると、高気密高断熱住宅とは文字通り高気密性と高断熱性を兼ね備えた住宅です。
高い住宅性能を保有するため、多くのメリットが存在します。

□トイレが寒いって本当なの?

高気密高断熱住宅のメリットの一つに、家全体が温まりやすいというものがあります。
部屋間で温度差ができにくいため、ヒートショックも起こりづらくなります。

しかし、トイレは寒くなってしまいがちです。
理由は主に3点あります。

1つ目は、トイレを含む水回りでは配管が多いことです。
配管が多いと隙間ができやすいため、気密性能が低くなる傾向にあります。

2つ目は、トイレは基本北側に設置されることです。
設置場所自体が原因となり、寒くなってしまうこともあります。

3つ目は、巾木が多いことです。
巾木は、天井と壁、壁と床の構成材間にあります。
トイレは、構造上四方を巾木に囲まれています。
断熱材同士の隙間が多くなるため、断熱機密欠損が起きやすくなってしまいます。

□まとめ

高気密高断熱住宅とは、高い気密性と断熱性により住みやすさを追求した住宅です。
2025年以降は断熱等性能等級4以上が義務付けられるように、注目されつつあります。
しかしそのような住宅であっても、トイレは寒くなりがちです。
検討する際は、ハウスメーカーの方と話し合って策を考えるのが良いかもしれません。