高気密高断熱住宅と薪ストーブは相性が悪い?

高気密高断熱住宅を検討している方で、薪ストーブを導入しようと考えている方は必見です。
今回の記事では、注意したい「煙の逆流」と、高気密高断熱住宅に薪ストーブを導入するときに気をつけておきたいポイントをご紹介します。

□高気密高断熱住宅と煙の逆流

高気密高断熱住宅では、一般的な住宅よりも家全体の隙間を極端に少なくすることにより高気密性を実現しています。
煙突からの排気量が外気の流入量より多くなると、ドラフト(煙突内の上昇気流)が正常に発生せず、煙の逆流につながります。
したがって、気密性が高い住宅には煙の逆流を防ぐための換気性能が求められます。

ただし、一般に第1種換気システムを採用していれば給気・排気のバランスが等しく設計されているため、ドラフトは起こりにくいとされています。
他の対策としては以下の方法があります。

・専用の自然吸気口の設置
・薪ストーブの近くの窓の開放

しかしこれらの方法を採用すると、せっかくの暖気が放出されてしまいます。
そこで、省エネ住宅に適した薪ストーブを最初から導入しておく必要があります。

□省エネ住宅に適した薪ストーブとは

1つ目は、「外気導入型の薪ストーブ」です。
これは近年需要が高まっている薪ストーブで、現在では多くの薪ストーブに設定されています。
設定されていない場合でも、オプションとして設定できるものがほとんどです。

この薪ストーブでは、燃焼に用いる空気を屋外から導入します。
空気取入口を、床下または外壁を貫通させた穴に通した専用のダクトでつなぎ、外気を流入させます。

外気を導入すれば、室内の気圧に左右されない燃焼が可能です。
ただし、夜焚きによる低温の不完全燃焼への完全な対策にはならないので注意が必要です。

2つ目は、「気密性の高い鋼板製の薪ストーブ」です。
これは精密なパネル同士を溶接結合することにより、炉内の気密性の向上に成功した薪ストーブです。

気密性が高いので炉内温度を高く保つことができ、効率よく薪を燃焼できます。
また、気密性の高さにより一酸化炭素の流出も防げますし、高面積のガラスからは大量の熱を放射できます。

□まとめ

高気密高断熱住宅では煙の逆流は非常に重大な問題です。
したがって、換気を十分考慮した薪ストーブにする必要があります。
具体的には、外気導入型の薪ストーブや、気密性の高い鋼板製の薪ストーブがおすすめです。
条件をまず確認し、その上で好みにあう薪ストーブを導入しましょう。

高気密高断熱冬住宅なら冬も室温を高く保てるのか?

「高気密高断熱住宅は本当に室温を保てるの」
このような疑問をお持ちの方は必見です。
今回の記事では、高気密高断熱住宅の実例をご紹介します。

□実際高気密高断熱住宅はどれくらい暖かいのか?

一例ですが、具体例をご紹介します。

滋賀県のとある地域にある高気密高断熱住宅は、延床面積30坪、木造2階建てでした。
住宅はご夫婦とお子さんの3人暮らしです。
ある日の夕方の気温はマイナス一度になっており、寒波の影響で非常に冷たい風が吹いています。

しかし家では、お子様が冬でも靴下を脱いで床に寝そべっています。
このときはエアコンの設定温度を22度にしている以外には、暖房をつけていません。

このように、高気密高断熱住宅では部屋の温度が安定します。
また、効率的に暖房・冷房が作用するのもメリットです。

さらに、暖房をつけていない2階でも、室温は18度ほどです。
1階に比べ暖かいわけではないですが、寒さは一切ありません。

断熱性能の低い家ではエアコンのついていない部屋は寒いことが多いです。
高気密高断熱住宅では、家全体を温かくできます。

□高気密高断熱住宅でも寒い場合の対策

「高気密高断熱住宅と聞いていたのに、住み始めてから寒い」
このような場合の原因と対策をご紹介します。

原因の1つ目は、「そもそも高気密高断熱ではなかった」というものです。
この場合、サッシを気密性・断熱性の高いものにする、カーテンを断熱効果の高いものにするといった対策をするほかありません。

実は、高気密高断熱住宅に基準はありません。
ハウスメーカーの方に、実際どれくらいの効果があるのかについて、あらかじめ具体的に質問をしておきましょう。

2つ目は、「換気扇による影響」です。
換気扇にはいくつか種類がありますが、第1種換気扇以外の場合寒くなる可能性があります。

第1種換気扇では、廃棄するときに室内の空気から熱を回収し、吸気した空気に熱を戻します。
そのため、換気による温度変化を最大限抑えられます。
また、この換気扇は湿度も調節してくれるというメリットもあります。
これから高気密高断熱住宅を建てる、という方はぜひ第1種換気扇を導入してください。

□まとめ

高気密高断熱住宅は、効率的に、そして効果的に家を温かくしてくれます。
夏も同様に冷房が効きやすいため、快適な家で暮らしたい方にはとてもおすすめできます。
また、高気密高断熱住宅には基準がないため、実質的な機能についてあらかじめよく聞くようにしましょう。