高気密高断熱住宅の湿度が高いのは本当?

高気密高断熱住宅は、性能の高い住宅として注目されています。
一方で、湿度が高いという問題点があるという指摘もあります。
そこで今回の記事では、高気密高断熱住宅の問題に触れつつ、湿度を抑えるためのポイントをご紹介します。

□高気密高断熱住宅の問題点

高気密高断熱住宅を表す際に「冬でも暖かく、夏は涼しい」という言葉が用いられることが多いです。
しかしその高い気密性・断熱性は、夏場に室内を暑くしてしまうこともあります。
これが主な問題とされていますが、その要因は何でしょうか。

夏場に暑くなる要因の1つ目は、「太陽光」です。
高気密高断熱住宅では、壁の間に断熱材を使用することや、断熱性の高い窓を使用することにより、室内と屋外間の熱の移動をシャットアウトします。

しかし、窓がある限り太陽光が差し込むので、太陽光による室温の上昇が発生してしまいます。
また、断熱性が高いため、一度室温が上がってしまうとなかなか下がりません。
したがって、夏場は暑くなってしまうのです。

また、「湿度の高さ」も夏場に暑くなる要因です。
湿度が高ければ体感温度が上がるため、夏場の暑さにつながります。

この湿度の高さは、気密性の高さに由来します。
一度湿度が高くなってしまったときに、気密性が高いせいで湿度が下がりにくくなってしまいます。

□梅雨でも湿度を抑えるためのポイント

このように、湿度の高さは高気密高断熱住宅の問題の一つです。
ここでは、その対策方法をご紹介します。

1つ目は、エアコンで24時間除湿を行うことです。
エアコンは、使い方次第ですが、除湿器よりもたくさん除湿することが可能です。
また除湿器よりも電気代を抑えられますし、除湿器のように水を捨てる必要もありません。

2つ目は、気密性を高く保つことです。
一度湿度が高まってしまうとその湿度を下げるのは難しいです。
であれば湿度が高まらないような住宅であればよく、気密性の高い住宅であれば高い湿気の外気を室内に流入させないことも可能です。

3つ目は、全熱交換換気をすることです。
全熱式の熱交換換気は、外気の湿気を大幅にカットできます。
中には70%もカットできるものもあり、湿気対策として非常に優秀です。

□まとめ

今回の記事では、高気密高断熱住宅の湿度が高い理由をご紹介しました。
実際に湿度が高いというよりも、一度湿度が高くなってしまうと下がりにくいという性質があるということです。
対策をしっかり行えば、夏場も涼しく快適な住宅に住めます。

高気密高断熱住宅で快適に住むために重要な換気システムとは?

近年人気になってきている高気密高断熱住宅ですが、なぜ快適なのかご存じない方もいらっしゃるでしょう。
そこで今回の記事では、高気密高断熱住宅の解説と、導入が義務づけられている換気システムの紹介をしていきます。

□高気密高断熱とは?

高気密高断熱住宅とは、名前通り高い気密性と断熱性を実現した住宅です。
気密性を高めるために防湿シートや精度の高い建築部材を使用し、隙間が無いようにします。
また断熱性を高めるために、断熱材を用いたり断熱性の高い窓を使用しています。

メリットは冷暖房効率が良いため、省エネ住宅でもあることです。
気密性と断熱性の高さによって、外気温に左右されない室温を実現できるからです。

ただし、気密性が高いということは、換気が必要ということにもなります。
室外の空気が室内に流入しないのと同様、室内の空気が室外に流出しにくいためです。

□高気密高断熱住宅と換気システム

高気密高断熱住宅には、24時間換気システムの導入が義務付けられています。
これは、1990年代にシックハウス症候群が多発したことを受け、2003年に改正された建築基準法に起因します。

ただし、24時間換気システムには3種類あります。

1つ目は、「第1種換気」です。
これは、吸気口から外気を吸い込み、ダクトを通じて室内の空気を室外に排出する換気システムです。
空気の流れを制御しやすいという特徴があり、3種類の換気システムの中で最も安定的かつ正確に換気を行えます。

2つ目は、「第2種換気」です。
これは給気を換気扇で行い、室内の空気の室外への排気は自然に行うという換気システムです。
なお、この換気方法は一般住宅ではほとんど採用されません。

3つ目は、「第3種換気」です。
これは室内の空気を換気扇で強制的に排出する換気システムです。
3種類ある換気システムの中で最も安価で、最も一般的な換気方法です。

高気密高断熱住宅での快適さを最も重視する場合、おすすめなのは第1種換気システムです。
ただし、導入コスト面では第3種換気システムが第1種換気システムよりも優れています。
コストと性能の両面から、導入する換気システムを検討することが大切です。
決められない場合は、ハウスメーカーの方に相談するのも良いでしょう。

□まとめ

高気密高断熱住宅は、冷暖房効率の良い非常にすみよい住宅です。
ただし24時間換気システムの導入が義務付けられており、性能を重視する場合は第1種換気システム、コスト面を重視する場合は第3種換気システムがおすすめです。